24 偽造ED治療薬の海外動向
海外でもっとも多くED治療薬が使われているのが、ED治療薬発祥の国であるアメリカ、次いでブラジルです。そして、ジェネリック品の割合が高い国としてインドが挙げられます。インドのジェネリック品については、インド国内の使用だけでなく、輸出にも多く出されていて、日本にも通販業者によるインターネット販売や輸入代行を通じて広く流通しています。
ジェネリック品は、新薬の特許が切れた製品を他の製薬会社が手がける安価な類似品(後発品)です。医薬品の場合、特許期間は通常20〜25年です。例えば、1998年に初めて登場したED治療薬は、2010年では、まだ特許で保護されています。それにもかかわらず、通販などで堂々と販売されています。
コピー品のほとんどは主にインドで製造されています。なぜインドなのか。それは「特許」の形にあります。医薬品には「製法特許」と「物質特許」があります。簡単に言えば、製法特許は作り方、物質特許は成分に関するものです。
日本をはじめ、大半の国々の製薬会社はこれら二つの特許に守られて医薬品を製造します。ところが、インドは2005年まで「物質特許」を認めていませんでした。同じ成分の薬剤であっても、製法を変えれば別の薬として堂々と販売することができたのです。これは「さすがにそれはまずいだろう」という国際世論の高まりを受け、2005年に「物質特許」を認める法改正が行われました。その一方で、「2005年以前に発売している医薬品については合法」という、一種の抜け道が用意されました。
つまり、「成分的には正規品と同等だが、製法が違うので正規品とは言えない代物」がインドでは認められているのです。コピーのED治療薬がインドで大量に製造されているのは、こうした事情があるからです。
こうしたコピー品は、インド国内では違法ではないものの、日本に持ち込まれれば厚生労働省の承認を得ていない「国内未承認薬」です。こうした海外の非正規なED治療薬は、厚生労働省が安全性や有効性を認めた医薬品ではないので安易に服用しては危険だとされています。
2011年に20歳以上の成人男性1万人を対象としたインターネットでの調査によれば、病院やクリニックを受診した上でED治療薬を処方されていた人の割合は2.8%でした。それ以外の不正規ルートからの入手は、「友人・知人から0.6%」「ネット購入2.6%」「その他0.6%」で、正規ルートでの入手よりも不正期ルートからの入手のほうが上回っている実態が報告されています。
この調査の「医師以外から入手する理由(複数回答)」によれば次の通りです。
・手軽だから →81.3%
・安く入手できるから →46.4%
・病院に行くのは恥ずかしい、周囲に知られたくないから →39.2%
・忙しくて時間がないから →17.1%
・ED治療を行う医療機関がわからないから →6.4%
・ その他 →1.1%
国内のED治療薬を扱う製薬会社4社が2008年8月〜2009年4月の間に合同で行った調査によれば、日本とタイのインターネットを通じて個人輸入したサンプルの55.4%がニセモノと判明しました。その中には、有効成分が1.5倍も過剰に含まれているものや、60%しか含まれていないものもあったそうです。承認用量を超えていれば予期せぬ副作用を引き起こし、満たしていなければ期待する効果を得られないことになります。
上記の製薬会社は、2016年11月24日に、2009年以降2回目の合同プレスセミナ—を開き、偽造ED治療薬による健康被害へのリスクが依然として減らない実態を明らかにしました。これはED治療薬を含む偽造医薬品への注意を喚起することを目的とした取り組みでした。ここで、インターネットから入手したED治療薬の鑑定調査の結果が発表されました。
この合同プレスセミナーでの発表によると、2015年に税関で差し止められた偽造医薬品の合計は1030件でした。10年前の11件に比べ、約100倍に増加、そのほとんどがED治療薬でした。ここではまた驚くべき調査結果が報告されたのです。それは「オンライン薬局が販売する商品の97%が不正品である」ということでした。
現在、国内で承認されているED治療薬には、3種類の先発品とジェネリック(後発品)があります。偽造品は先発品に極めて似ている物が多いのが特徴です。
インターネット上では、「本物である」「海外製のジェネリック医薬品である」と偽って販売されているので注意が必要です。2009年の調査では、偽造品の割合が55.4%でした。今回は40.0%ですから、数の上では減少しています。しかし、依然としてインターネットを介して入手するED治療薬の多くが偽造品であることも明らかになっています。
これらの偽造品の成分分析結果や品質にはバラツキがあります。有効成分含有量が承認用量を超過、あるいは不足しているものや、まったく含まれていないもの、他の成分や複数の不純物が含まれているものが確認できました。ネット購入の怖さは、→この続きはAmazonか、院内受付(新宿・渋谷)で手に入る書籍でご覧ください。
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新宿ウエストクリニック院長
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