男性型脱毛症・女性型脱毛症の医学的Q&A
薄毛の対策を始めたいけれど、ネット上には読み切れないほど大量の情報であふれています。科学的根拠に基づく情報から、薄毛には有効でないか場合によっては有害な商品まで、何を選ぶべきか悩まれている方は多いと思います。このような状況から、薄毛(AGA)治療にあたっての指針を定める必要性が討議され、日本皮膚科学会により「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(以下AGA治療ガイドライン)が作成されました。
男性型脱毛症:AGA(androgenetic alopecia ),MPHL(Male Pattern Hair Loss)
女性型脱毛症:FAGA(Female androgenetic alopecia )
AGA診療ガイドラインとは
日本皮膚科学会により、医学的根拠に基づいて作成された、各症状におけるもっとも推奨される治療方法を示すものです。皮膚科医の立場からは無効ともいえる民間療法のようなもの(シャンプーなど)の横行を防ぐ目的があります。2023年時点で、2017年の更新が最新版です。
医学的見地に立ったAGA治療のおすすめ度
治療の推奨度レベル
AGA診療ガイドラインでは、各症状に対しての治療法について、推奨度の度合いに応じて次の5段階に分けています。治療法の選択の参考になさって下さい。
A | 行うよう強く勧める |
B | 行うよう勧める |
C1 | 行ってもよい |
C2 | 行わない方がよい |
D | 行うべきではない |
各症状に対する推奨度の分類
Clinical Question | 推奨度 A~D |
フィナステリドの内服は有用か? | A(男性型脱毛症)行うよう強く勧める |
D(女性型脱毛症)行うべきではない | |
デュタステリドの内服は有用か? | A(男性型脱毛症)行うよう強く勧める |
D(女性型脱毛症)行うべきではない | |
ミノキシジルの外用は有用か? | A 行うよう強く勧める |
ミノキシジルの内服は有用か? |
D 行うべきではない *参考 ミノキシジル内服薬は国内では承認されておらず、副作用被害救済制度PDMAの対象となりません。 |
自毛植毛術は有用か ? | B 自毛植毛術(男性型脱毛症)行うよう勧める |
C1 自毛植毛術(女性型脱毛症)行ってもよい | |
人工毛植毛術 | D 行うべきではない |
LED および低出力レーザー照射は有用か? | B 行うよう勧める |
アデノシンの外用は有用か? | B(男性型脱毛症)行うよう勧める |
C1(女性型脱毛症)行ってもよい | |
カルプロニウム塩化物の外用は有用か? | C1 行ってもよい |
t- フラバノンの外用は有用か? | C1 行ってもよい |
サイトプリンおよびペンタデカンの外用は有用か? | C1 行ってもよい |
ケトコナゾールの外用は有用か? | C1 行ってもよい |
かつらの着用は有用か? | C1 行ってもよい |
ビマトプロストおよびラタノプロストの外用は有用か? | C2 行わないほうがよい |
成長因子導入および細胞移植療法は有用か? | C2 行わないほうがよい |
ミノキシジルの内服は有用か? | D 行うべきではない |
治療の推奨度とそのエビデンス(医学的な証拠)
各症状に対しての治療法について、推奨度を定めるために次のような基準に沿っています。
A | 行うよう強く勧める | 少なくとも1つの有効性を示すレベルⅠ、もしくは良質のレベルⅡのエビデンスがあること |
B | 行うよう勧める | 少なくとも1つ以上の有効性を示す質の劣るレベルⅡか良質のレベルⅢ、あるいは非常に良質のⅣのエビデンスがあること |
C1 | 行ってもよい | 質の劣るⅢ~Ⅳ、良質な複数のⅤ、あるいは委員会が認めるⅣのエビデンスがある |
C2 | 行わない方がよい | 有効のエビデンスがない、あるいは無効であるエビデンスがある |
D | 行うべきではない | 無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある |
エビデンス(医学的な証拠)のレベル分類
I システマティック・レビュー/メタアナリシス
治療法の比較のために、複数の臨床試験結果をまとめ、特定の要因が対象の疾患と関係するかを解析する
II 1つ以上のランダム化比較試験
対象者(患者・医師)を、研究の公平性を担保するために2つ以上の郡にランダムに分けて治療法などの効果を検証する。
III 非ランダム化比較試験
効果を確認したい治療法の対象者を、それを施した郡と、施されていない郡に分ける際、乱数表などを用いて作為性が入り込まないようにする
IV 分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)
コホート研究(対象者に運動・食事など特定の条件付けをせず、大勢の人を長期間観察する)や症例対照研究(対象の疾病を持つ集団と、持たない集団の過去を遡って探る)
V 記述研究
症例報告や症例集積研究
VI 専門委員会や専門家個人の意見
ガイドラインの作成にあたっては、作成に係わる委員が、評価する特定の薬剤や治療法の開発・発表に直接関与していない者が行う
ただし,本文中の推奨度が必ずしも上記の判断基準に一致しないものがある.その理由は,この分野では国際的にもエビデンスが不足している状況,日本の歴史的背景や特殊事情,さらに診療ガイドラインの実用性も考慮して,委員会のコンセンサスに基づき推奨度を決定した項目があるからである.
出典)日本皮膚科学会ガイドライン 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
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新宿ウエストクリニック院長
安心の医師略歴・著書、メディア履歴臨床経験豊富な当院医師の論文

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