テストステロンとは

テストステロンは、人間だけでなく動物にもみられるホルモンです。 男性では、テストステロンは主に睾丸で作られます。 女性の卵巣もテストステロンを生成しますが、その量は男性に比較してはるかに少ないです。テストステロンの生産は思春期の間に著しく増加し始め、30歳前後から落ち始めます。テストステロンは、性欲に強く関連しており、精子の生成に重要な役割を果たします。 また、骨や筋肉の量、男性の肥満を促すかどうか、さらには赤血球の生成にも影響を及ぼします。肉体的な面のほかに、気分の変調など精神面でも影響を与える場合があります。

テストステロン

テストステロンレベルが低くなると

「低Tレベル」とも呼ばれる低レベルのテストステロンは、男性に次のような症状を引き起こすことがあります。

  1. 性欲の低下
  2. 体力が落ちる
  3. 体重の増加
  4. うつ(うつ感)
  5. 気分のむら
  6. 低い自己評価
  7. 体毛の減少
  8. 骨がもろくなる

テストステロンは男性の加齢とともに減少しますが、他の要因がホルモンレベルを低下させる可能性があります。睾丸の損傷や化学療法や放射線療法などのがん治療は、テストステロンの産生に悪影響を与えることがあります。慢性的な不健康状態とストレスもテストステロンの産生を減らす可能性があります。 これらのいくつかの原因は次のとおりです。

  • AIDS
  • 腎臓病
  • アルコール依存症
  • 肝硬変

〔女性〕テストステロンレベル(以下Tレベル)は成人女性でも着実に低下しますが、低いTレベルは、次のようなさまざまな症状を引き起こすこともあります。

  • 性欲の低下
  • 骨強度の低下
  • 集中力の欠如
  • うつ(うつ感)

女性の低いTレベルは、卵巣の除去だけでなく、下垂体、視床下部、または副腎の病気によって引き起こされることがあります。テストステロン療法は、Tレベルが低い女性に処方される場合がありますが、閉経後の女性の性機能または認知機能の改善に対する治療の有効性は確立されていません。

テストステロンの検査

テストステロンレベルは簡単な血液検査で測定することができます。血流を循環しているテストステロンの量が正常または健康的なレベルかどうかの判断には広い見方があります。※ウエストクリニックでこのテストは行っていません。

ロチェスター大学医療センターによると、正常な男性のテストステロンレベルは、成人男性では1デシリットルあたり280〜1,100ナノグラム(ng /dL)、成人女性では15〜70 ng/dLの範囲です。範囲は研究機関によって異なる可能性があるため、結果について医師に相談することが重要です。米国泌尿器科学会によると、成人男性のテストステロンレベルが300 ng /dL未満の場合、テストステロンの低下の原因を特定するために精密検査を行うことがあります。

テストステロンレベルが低い場合は、下垂体の問題の兆候である可能性があります。下垂体は、より多くのテストステロンを生成させるため、睾丸にそれを促すホルモンを送りますが、成人男性のテストステロン値検査の結果が低かったときは、下垂体が適切に機能していない可能性があります。本来はテストステロンレベルが高まる若い10代であってもそれが低いことが判明した場合は、思春期遅発症を発症しているおそれがあります。ただし、男性のテストステロンレベルが中程度に上昇すると、目立った症状はほとんど生じないことがあります。

一方、テストステロンのレベルが高い成年前の男性は、思春期が早く始まる場合があります。また、テストステロン値が高い女性は男性的な特徴を発達させる症例があります。注意すべき点として、異常に高いレベルのテストステロンは、副腎障害、または精巣癌の結果である可能性がありますが、高いテストステロンレベルは、それほど深刻ではない状態でも発生することがあります。 たとえば、男性と女性に影響を与える可能性のある先天性副腎過形成は、テストステロン産生の上昇の稀ですが自然な原因です。

テストステロン補充療法

性腺機能低下症として知られる状態であるテストステロン産生の低下は、必ずしも治療を必要とするものではありません。低テストステロンの状態が自信の健康と生活の質を妨げていると自覚される場合は、テストステロン補充療法を考えても良いかもしれません。 治療として行うテストステロンは、経口投与、注射、またはゲルや皮膚パッチで投与できます。補充療法は、筋肉がつきやすくなる、性欲が落ちないなどの望ましい結果を生み出す効果もあります。 しかし、治療には以下のようにいくつかの副作用があります:

    • 過剰な皮脂分泌
    • むくみ
    • 睾丸の萎縮
    • 精子産生の減少

注意)テストステロン補充療法が前立腺がんのリスクを高める結果にはならない、という報告がいくつかありますが、まだ継続的に研究が続けられています。また、テストステロン補充療法を受けている人は、前立腺がんのリスクが低下することを示唆する研究結果もありますが、これにもさらなる調査が待たれます。

頓服薬および塗布薬による対症療法

テストステロン補充療法のほかに「性欲の低下」「気分の落込み」の各症状に対しては、精神安定剤や抗うつ薬の一種であるSSRIの一時的な使用、医療用漢方薬の一定期間の服用で効果があらわれることがあります。試してみたい方はご自身の症状を医師とよく相談し(診察料は不要です)適切と思われる治療を受けて下さい。

・心因性EDと精神安定剤
・心因性EDと早漏(SSRI)
・男性ホルモン補充(塗布薬)
・早漏治療および男性ホルモン補充(塗布薬)
・医療用漢方の処方

まとめ

テストステロンは、男性の性欲に最も影響を及ぼします。 また、メンタルヘルス、骨と筋肉の量、肥満、赤血球の生成にも影響を及ぼします。異常に低いまたは高いレベルは、男性の精神的および肉体的健康に影響を与える可能性があります。お近くの医療機関では、簡単な血液検査でご自身のテストステロンレベルをチェックすることが可能です。 テストステロン療法は、テストステロンのレベルが低い男性の症状を治療するために利用できます。結果が低かった場合は、このタイプの治療が有益かどうか医師に相談してください。

*Testosterone

A steroid hormone that stimulates development of male secondary sexual characteristics, produced mainly in the testes, but also in the ovaries and adrenal cortex.

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