9 ED予防とアンチエイジング

ED克服の最前線「性欲はガソリン、精力はエンジン」令和版 (フリーエディション)

年を重ねると、体力も気力も落ちてきます。この「加齢現象」で、特に性機能の衰えを実感する男性は多いようです。巷には高齢者向けのセックス関連記事が多く見られますが、これは男性にとって、「性春」を長く謳歌したいという願望の表れでもあるのです。

定年後の年齢層になると、社会との関わりが薄くなり、仕事というやりがいを失ったことによる喪失感が引き金になって、うつ傾向が現れることもあります。特に、現役時代にバリバリ働いていた男性はプライドが高いので、EDによる性機能の衰えが心身両面の自信喪失につながることも珍しくありません。

年を重ねると、臓器としてのペニスが衰えるばかりでなく、ホルモンの分泌環境が変わり、さまざまな危険因子が増えてきます加齢がEDを招くなら、加齢に対抗（＝アンチエイジング）するように心がければ、EDを遠ざけることができるという理屈が成り立ちます。

EDを遠ざけるためのアンチエイジングには、一酸化窒素（NO）の分泌を増やすのが得策です。実は生活習慣病のほとんどと、うつ病、頻尿、不眠、記憶力の低下などにNOがかかわっているのです。これらの病気や症状は血管の老化によって起こります。脳卒中や心筋梗塞を招く動脈硬化は、血管内皮から分泌されるNOの量が減ることで起こります。

勃起は大量の血液がペニスに流れ込み、海綿体が充血することによって起こります。しかし、普段はペニスの筋肉が緊張しているので血液が海綿体に流入しにくくなっています。ところが何らかの原因で性的な刺激が加わるとNOが分泌されます。NOにはペニスの海綿体の筋肉を短時間で緩める作用があります。筋肉の緊張が解けると血管も緩むので、一気に血液が流れ込みます。同時に血管の内側を裏打ちする内皮細胞からも大量なNOが出て勃起を後押しします。NOが足りないと筋肉も血管も十分に緩められないので、勃起しにくくなるのです。

高血圧は、緩みにくくなった血管に血液を送るために心臓からの圧力が高まることで起こります。うつ病は脳神経の連携がうまくいかなくなることで起こりやすくなります。どちらにもNO不足が影を落としています。こうしたことから、NOが勃起にとって重要な役割を果たしていることがおわかりでしょう。そのもっとも大切な働きは「血管を広げること」です。そう考えると、NOを増やして血管の機能を保つことができれば、若々しく健康な毎日を送ることができるはずです。これがアンチエイジングの第一歩です。シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬は、いずれもNOが体内でより働きやすくなるようにして、結果的に勃起を助ける役割を担っています。

コラム

女性の性機能障害

男性の性機能障害の代表はEDです。そして、女性の場合は、女性性機能障害（FSD=Female Sexual Dysfunction）です。男性の性機能障害に比べて   →この続きはAmazonか、院内受付（新宿・渋谷）で手に入る書籍でご覧ください。

The forefront of overcoming ED “Libido is gasoline, vitality is the engine, Reiwa version

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