6生涯現役を目指して

平均寿命が延びたことに伴い、男女ともに老後の暮らしの中に「性的に満たされた時間」を求める心の動きが増えてきています。愛のあるセックスは、パートナーとの良好な人間関係を深めるのに大切です。すべての高齢者が性的にアクティブとは限りませんが、少なくとも良いセックスパートナーを持っていることは、心身ともに活き活きとして暮らし、輝く人生を享受するための必須事項と言えましょう。

一生涯、人間について回る欲望のトップ・スリーは「食欲」「睡眠欲」「性欲」と言われます。心身ともに健康な人にとって、「性欲」はエンドレスです。その欲求を具体的に満たすための行為がセックスです。しかし、男性にとってその行為を妨げる大きな問題はED（勃起不全）です。繰り返しますが、EDとは「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないために満足な性交が行えない状態」です。これは必ずしも年齢に左右されるわけではありません。

人間の性行動に年齢的な「始め」はあるものの、決まった「終わり」はありません。それにもかかわらず、高齢者の性については「性欲は加齢とともに衰える」という「常識」が勝手に独り歩きしているようです。こうしたことから、高齢者の性に対して否定的に捉える風潮が根強いのが現状でしょう。しかし、性に対する考え方は人それぞれです。世間の目や実年齢を気にせず、パートナーとの満ち足りた性生活を楽しんだり、精神的なつながりを大切にして生きて行くのは素晴らしいことです。

人によってはパートナーに先立たれる場合もあるでしょう。また、生別死別を問わず、新たなパートナーに出会う機会もあるかもしれません。本来、人が誰でも持っている「性的に幸せになる権利（＝セクシャル・ライツ）」を追求するのに重要なことは、「こうありたい」と願う確固たる意志です。高齢者が豊かな性生活を送るためには、食生活や健康管理に留意し、基礎体力を維持することです。

当クリニックには、20代から80代まで、実に幅広い年齢層の方が訪れます。年齢に関係なく、男性にとってEDは人生において大きな関心事であることがこれによってよく分かります。とくに性的な面で「現役」であることは、男性にとって大きな自信となりますが、年齢が重なるにつれて、十代の頃のような若々しい勃起を維持することは困難になります。しかし、健全な性欲があり、体力的に問題がなければ、性交を行うための勃起に年齢制限はありません。

とは言っても、加齢に伴ってEDに罹患する率は高くなります。年を重ねると、動脈硬化による血流量の低下や、ホルモン環境の変化を招きます。つまり加齢はEDのリスクファクターの筆頭ということになります。さらに、メタボが気になる年齢に差しかかってくると、急激にEDに悩む人が増えてきます。正しい知識を得て、上手に治療することで、豊かな性生活を送りましょう。

年を重ねても十分な勃起が維持できれば言うことはありませんが、少しでも衰えを感じ始めたら、シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬が有効です。ED治療薬は催淫剤でも媚薬でもありません。性的な刺激を受ければ、自然な形で勃起を手助けするようにはたらきます。ED治療薬を使用することによって、現代に生きる男性の特権を享受しましょう。

この項の最後に、「性交の頻度と寿命の関係」についての大変興味深い調査の報告しておきます。　→この続きはAmazonか、院内受付（新宿・渋谷）で手に入る書籍でご覧ください。

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