ED治療におけるアルギニンの臨床データ

ED(勃起不全)治療におけるアルギニンの臨床データは、主にその血管拡張作用(一酸化窒素の産生促進)に着目した研究が行われています。以下に、代表的な臨床試験結果や、他の治療薬との併用効果などを交えて解説します。


アルギニンのEDに対する作用メカニズム

アルギニンは体内で一酸化窒素(NO)の前駆体となり、NOは陰茎の血管を拡張させ、血流を増加させることで、勃起機能をサポートします。


臨床研究の概要

① 単独使用による効果

研究 概要
Sciberras et al. (2000) 健康な男性50名にL-アルギニン5g/日を6週間投与。→ ED患者の約31%に明確な改善あり。
Kojima et al. (2006, 日本) 軽度ED患者にアルギニン3g/日を4週間投与。→ IIEFスコアが有意に改善(P<0.05)。特に若年層で効果顕著。
Chen et al. (1999) ED患者で血中NOが低い群にアルギニン4g/日を投与し、EDの改善を確認。

傾向:軽度~中等度のEDには一定の改善効果あり。重度EDには単独では効果が限定的。


② 他成分との併用研究

L-アルギニン + ピクノジェノール(松樹皮抽出物)

研究 結果
Stanislavov & Nikolova (2003) L-アルギニン1.7g + ピクノジェノール40mg×2回/日、3か月投与。→ 勃起機能スコアが有意に改善。3か月で93%の患者が正常な性交能力を報告。

L-アルギニン + シトルリン

| 研究 | L-アルギニンとシトルリンを併用することで、より持続的なNO供給が可能となり、ED改善効果が高まるという報告も複数あり。|


③ PDE5阻害薬(バイアグラなど)との併用

観察 概要
アルギニンはPDE5阻害薬と異なる経路で作用するため、併用により相乗効果が期待される
ただし、低血圧リスクを考慮し、慎重な使用が推奨される(特に硝酸薬との併用は厳禁)。

効果の指標:IIEFスコア

多くの研究で使われている指標はIIEF-5スコア(国際勃起機能スコア)です。

スコアの変化 意味
+2〜5点の上昇 軽度〜中等度の改善傾向あり
+6点以上の上昇 有効性が高いと判断される

注意点

  • 即効性はない(最低2〜4週間の継続摂取が必要)
  • 効果は個人差あり(特に血管性EDでNO産生が低下している人に効果的)
  • 副作用は比較的少ないが、胃腸障害やヘルペス再発に注意
  • 他の治療法(PDE5阻害薬:バイアグラシアリスなど)を服用中の場合は、医師に相談して併用を検討

結論

ポイント 内容
単独効果 軽度EDには有効性が見られる
併用効果 ピクノジェノールやシトルリン、PDE5阻害薬との併用で効果増強が期待できる
推奨摂取量 1日あたり 2~5g(分割摂取)
使用期間 少なくとも 4週間以上の継続摂取が必要