脱毛症の現れ方
脱毛症とは、毛髪の抜け落ちが通常より多く、毛量が結果的に少なくなっている状態です。男性で最も一般的なのは「男性型脱毛症:AGA」。いわゆる「はげてきたかな?」と感じる状態です。ただし髪の毛が薄くなる原因はAGA以外にもあります。髪の毛が少なくなってきたと感じたら、先ず自身の状態がAGAが原因なのか医師と相談する必要があります。
脱毛症さまざまな原因
脱毛症の原因で最も一般的なのは「アンドロゲン性脱毛症」です。加齢などによる体内のホルモンの変化によって起こります。このほか、ストレスや栄養不足、ほかの病気や薬剤の影響などさまざまな原因が考えられます。。現れ方も男女では一部異なり、対処法それぞれ違ってきます。
男性に一般的な脱毛症
いわゆる「はげること」は男性型脱毛症AGAといって、多くの男性が加齢と共に抱える悩みの一つです。しかし2005年にAGA治療のための内服薬「プロペシア」が認可され、続いてそのジェネリックの選択肢も増えた現在は治療法が確立されているといえます。
原因 | 頻出部位・状態 | |
男性型脱毛症AGA | 男性ホルモン派生物質、遺伝 | 頭頂部、前頭部 |
円形脱毛症 | 自己免疫疾患 | 円形の脱毛斑 |
皮膚炎による脱毛症 | 脂漏性皮膚炎などの疾患 | 頭皮の環境悪化 |
薬剤性脱毛症 | 特定の薬による副作用 | |
栄養失調による脱毛症 | 栄養不良 | 頭皮の乾燥など環境悪化 |
全身性疾患による脱毛 | 甲状腺炎、貧血、膠原病など | |
先天性脱毛症 | 遺伝 | 縮毛、結節毛 |
外傷や熱傷による脱毛 | 外部からの刺激 | 刺激を受けた部位 |
男性型脱毛症(AGA:Andorogenetic Alopecia)
男性型脱毛症、いわゆる「はげてくる」ことは、主に男性ホルモンの派生物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)が原因です。このDHTの影響で毛包が十分に育つ前に髪の毛が抜けてしまうことになり、この結果うす毛が進行します。こうした状況をもたらす原因物質DHTの発生の段階から防ぐのが内服するAGA治療薬です。
AGAは日本の成人男性の約30%(およそ1200万人)が罹患しているとされていますが、これに対して何らかの治療を行っている人は半数以下に過ぎないという報告があります。現在、厚生労働省から承認されているAGA治療薬は次の通りです。
内用薬 | プロペシア(フィナステリド) | |
ザガーロ(デュタステリド) | ||
外用薬 | ミノキシジル | |
塩化カルプロニウム |
*ミノキシジルの内用薬は日本国内では認可されていません。
円形脱毛症
円形脱毛症は、機能に異常をきたした免疫が毛包を攻撃し、その結果毛が抜け落ちてしまいます。「ストレスが原因で円形脱毛症になった」とはよくきかれることですが、ストレスはあくまで誘因の一つであり、実際は原因不明の自己免疫疾患であるとされています。
皮膚炎による脱毛症
頭皮への真菌などの感染(頭部白癬:しらくも)、脂漏性皮膚炎など頭皮の健康状態の悪化が原因となります。
薬剤性脱毛症
抗がん剤(化学療法、放射線治療)のほか、一般的な内服薬でも起こる可能性があるので注意が必要です。
栄養失調による脱毛症
現代の日本で栄養失調?と思われるかもしれません。しかし肥満のためと称する断食や、拒食症を原因とする栄養失調などから脱毛が起こることがあります。
全身性疾患による脱毛症
慢性甲状腺炎、鉄欠乏性貧血、亜鉛欠乏症、膠原病(エリテマトーデス)などを原因とする脱毛症です。
先天性脱毛症
生まれつき毛髪の成長に異常がみられる遺伝性疾患です。多くの場合、縮れて毛がまばらに生えます。髪の毛は途中で切れやすく、抜けやすくなっています。
外傷や熱傷による脱毛
外傷や熱傷など外部からの刺激から、毛根に損傷が生じることで生じます。
女性に特有の脱毛症
女性の脱毛症は、男性に起こるAGAのようなはっきりとした症状は出にくい傾向があります。ほか皮膚炎や薬剤、遺伝による脱毛症は男性と症状と原因が共通しています。
原因 | 主な部位 | |
女性型男性脱毛症 FAGA | 女性ホルモン、遺伝 | 分け目から全体 |
びまん性脱毛 | FAGAの一形態 | 全体的に密度が低まる |
多嚢胞性卵巣症候群 | 女性ホルモン | 全体的に密度が低まる |
牽引性脱毛 | 髪型による | 髪の毛の引張り |
抜毛症 トリコチロマニア | 心理的要因 | 髪の毛の引抜き |
女性型男性脱毛症(FAGA:female androgenetic alopecia)
女性の脱毛症は男性と異なり、現在のところ明確な発症メカニズムはわかっていません。加齢に伴う健康的な髪の毛の生育に関わるエストロゲンの分泌量の低下などさまざまな要因が関与していると推測されています。このため女性ホルモンの変動が始まる更年期前後に発症することが知られています。
びまん(瀰漫)性脱毛症
髪の毛の密度が全体的に薄くなる特徴を持ちます。男性は頭頂部および生え際を中心に脱毛しますが、女性では頭髪ボリュームが全体的になくなってゆきます。FAGAをはじめとする女性の脱毛症の特徴的な現れ方です。
多嚢胞性卵巣症候群
男性ホルモンが過剰に産生される多嚢胞性卵巣症候群は、女性型脱毛症を引き起こすことがあります。脱毛症が若い年齢で発症した場合、ホルモンの分泌異常を疑います。
牽引性脱毛
髪型によって、特定の部分にある毛の根元に長期間負荷がかかって生じます。ひっ詰めた場合は生え際が、きつく縛った場合は分け目、に脱毛が起こることがあります。
抜毛症(トリコチロマニア)
頭髪を含む全身の毛を強迫的に引き抜く精神疾患のひとつです。、はっきりとした原因は解明されていませんが、比較的女児や思春期の女性に多いといわれています。
新型コロナと「急性休止期脱毛症」
毛周期(ヘアサイクル)とは、髪の毛が生えてから抜け落ち、再び新しく生え変わる周期のことです。健康な人では3~5年を一周期とし、この中で新しい毛に抜け変わる前にいったん成長が止まる「休止期」と呼びばれる期間があります。
毛周期における「休止期」は髪の毛が伸びない時期で、非常に抜けやすい状態でもあります。「休止期」は次の「成長期」備えるための期間でもあります。「休止期」や「成長期」それぞれの状態にある髪の毛は、健康な人であれば一定の比率が保たれるので問題はありません。
しかし大きな手術や出産、過度なダイエット、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などウイルス感染症などが原因で「休止期」の毛根の割合が急激に増えることがあります。この状態をを「急性休止期脱毛症」と呼びます。
また、鉄欠乏性貧血や亜鉛欠乏症にある人は「休止期」の毛根の割合の減少が長期間に渡り、「慢性休止期脱毛症」と診断されることがあります。
脱毛症それぞれの治療
それぞれの治療は脱毛症の原因によって異なりますが、主に薬物療法が用いられます。男性のAGAに対しては近年、内服薬と外用薬によるわかりやすい治療が選べるようになりました。一方、女性の脱毛症FAGAに対しての治療は、外用薬など男性のAGA治療薬と一部重複する方法もありますが、ホルモンバランスの観察などより総合的な対策がとられます。これら代表的な二つ以外の脱毛症には、それぞれに対応した治療法がとられます。
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新宿ウエストクリニック院長
安心の医師略歴・著書、メディア履歴臨床経験豊富な当院医師の論文
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