シルデナフィルの禁忌における網膜色素変性症の方

シルデナフィルの禁忌における「網膜色素変性症(Retinitis Pigmentosa)の方」について詳しく解説します。


■ 背景:網膜色素変性症とは

  • 定義:遺伝性の網膜疾患で、光受容体(桿体・錐体)や網膜色素上皮が変性・萎縮する疾患
  • 症状
    • 夜盲(暗所での視力低下)
    • 視野狭窄(トンネル視野)
    • 進行すると視力低下、失明に至ることもある

■ シルデナフィルと網膜への影響

  • 作用機序
    • シルデナフィルは PDE5阻害薬
    • PDE5に加えて、PDE6 にも弱い阻害作用がある
  • PDE6の役割
    • 網膜の光受容体に豊富に存在
    • 光信号の伝達に重要
  • 影響
    • PDE6阻害により一時的な視覚異常(青緑色の変色、光の感度変化)が起こることがある
    • 網膜疾患患者では、この影響が 症状悪化や視力低下につながるリスク がある

■ 臨床上のリスク

リスク 内容
視覚異常の悪化 夜盲、視野狭窄、色覚異常の進行
網膜機能低下の促進 PDE6阻害による網膜光受容体への負荷
長期的視力低下のリスク 網膜色素変性症の進行速度が加速する可能性(稀)
  • まれに一時的な光覚異常や色覚変化として報告されるが、既往の網膜疾患がある場合はリスクが高い

■ 臨床上の対応

  1. 絶対禁忌
    • 網膜色素変性症の既往がある場合は投与不可
  2. 視覚機能の評価
    • 投与前に眼科医による網膜・視力評価を推奨
  3. 投与中止の判断
    • 視覚異常(視野狭窄や色覚異常)が現れた場合は即中止

■ なぜ「併用禁忌」に分類されるのか?

  • PDE6阻害による視覚異常リスクが高い
  • 網膜色素変性症患者はすでに網膜が脆弱 → 小さな影響でも症状悪化の可能性がある
  • 安全性が確保できないため、絶対禁忌とされる

■ まとめ(最重要ポイント)

  1. 網膜色素変性症は 光受容体や網膜色素上皮が変性する遺伝性疾患
  2. シルデナフィルは PDE6阻害作用があり視覚に影響する
  3. 既往患者では 視覚異常の悪化や症状進行のリスク
  4. 投与は 絶対に不可(禁忌)
  5. 投与歴がある場合は視覚機能の速やかな評価と必要に応じて中止