ザガーロの禁忌:本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者
添付文書の「本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者」が意味するところを、分かりやすく整理して説明します。
要点
- 禁忌対象:過去にザガーロ(デュタステリド)そのものや、同じ作用機序を持つ他の5α還元酵素阻害薬で明らかな過敏(アレルギー)反応を起こしたことがある人は、本剤を投与してはいけません。
「過敏症の既往歴」が具体的に指すもの
- 薬剤を飲んで起きた即時型あるいは遅延型のアレルギー症状
具体例:発疹、蕁麻疹(じんましん)、強いかゆみ、局所性浮腫や血管性浮腫(顔や唇の腫れ)、呼吸困難やアナフィラキシーの既往など。重症例では薬剤誘発性過敏症(DIHS=薬剤性過敏症症候群)の報告もあるため注意が必要です。 - 本剤の「有効成分(デュタステリド)」だけでなく、製剤中の「添加物(賦形剤・被覆剤など)」に対する既往の反応も含む
添付文書には製剤の添加物(ゼラチン、グリセリン、酸化チタン、色素、レシチン等)が列挙されています。これらに対する既往がある場合も投与を避ける理由になります。 - 「他の5α還元酵素阻害薬に対する過敏歴」の意味
フィナステリドや既往に用いた同系統薬でアレルギーを起こした経験があれば、構造や薬理が似たデュタステリドでも交差反応(別薬でも同様の過敏反応が出る可能性)**を考慮して禁忌となります。添付文書はこうした「同系統薬での問題の有無」を確認するよう指示しています。
臨床での確認ポイント
- 以前にザガーロ(デュタステリド)やプロペシア等(フィナステリド)を飲んで皮膚症状や呼吸症状が出たか。
- 薬を使って顔や唇が腫れた、全身のじんましんが出た、呼吸が苦しくなった、通院・入院したといった経験がないか。
- ゼラチンやカプセル、着色剤などの薬の添加物でアレルギー歴がないか(既往があれば処方を見合わせることがある)。
なぜ「禁忌」か(リスクの背景)
- 一度薬で重度の過敏反応を起こした患者に同様の薬を再投与すると、症状が再燃・増悪するリスクがあり、場合によっては致命的なアナフィラキシーや臓器障害(DIHSのような遅延過敏)に発展する可能性があるためです。添付文書・医薬品安全情報でも過敏症・DIHSへの注意が示されています。
もし既往がある/疑わしい場合の対応
- 投与しない(禁忌):既往が確実なら投与は避けるべきです。
- 代替治療を検討:外用ミノキシジル等(作用機序が異なる薬)を検討する。医師と相談してください。
- アレルギーの詳細確認:いつ・どの薬で・どんな症状が出たか(入院歴や治療歴)を詳しく聴取する。必要なら皮膚科やアレルギー専門医へ紹介。
- 薬物アレルギー検査の制約:デュタステリドやフィナステリドに対する標準化された皮膚テスト/血液検査は一般的ではなく、交差反応の評価も難しいため、既往に基づく臨床判断が基本になります。
まとめ
- 添付文書の文言は「本剤(デュタステリド)そのもの・同系統薬・さらには製剤中の添加物に対して過敏症(発疹、蕁麻疹、血管性浮腫、重篤な薬剤性過敏症など)を起こした既往がある人はザガーロを使ってはいけない」という意味です。投与前に既往歴を必ず確認し、既往があれば代替治療を検討してください。





