高血圧症とEDの関係

高血圧症とED(勃起不全)の関係

高血圧症とED(勃起不全)は密接な関係があり、高血圧の男性はEDを発症しやすいことが知られています。その主な理由として、血管の健康状態、ホルモンバランス、神経系の影響が関与しています。


1. 血管の問題(動脈硬化と血流低下)

勃起には十分な血流が必要です。陰茎の血管が拡張し、血液が流れ込むことで勃起が起こります。しかし、高血圧の状態が続くと、以下のような影響が出ます。

  • 血管が狭くなる(動脈硬化) → 陰茎に流れる血液量が減少
  • 血管の弾力性が低下 → 血流の調整がうまくいかず、勃起しにくくなる
  • 一酸化窒素(NO)の分泌低下 → 血管拡張が不十分になり、勃起が維持できない

高血圧の影響で血管が硬くなると、心臓や脳と同様に陰茎の血流も悪くなり、EDを引き起こしやすくなるのです。


2. ホルモンバランスの変化

高血圧の人は、ホルモンバランスが崩れやすい傾向があります。特に、テストステロン(男性ホルモン)の低下がEDに影響を与える可能性があります。

  • テストステロンの低下 → 性欲減退、勃起力の低下
  • ストレスホルモン(コルチゾール)の増加 → 血管収縮が促進され、EDのリスクが高まる

また、高血圧の治療薬がホルモンバランスに影響を与えることもあるため、後述する薬の影響も注意が必要です。


3. 神経系の影響

勃起には、神経系の働きも重要です。興奮が脳から伝わり、陰茎の血管を広げる指令が送られます。高血圧が続くと、血流障害によって神経の機能も低下し、EDにつながる可能性があります。

  • 糖尿病と合併すると、神経障害が悪化しEDリスクがさらに高まる

4. 高血圧の治療薬とEDの関係

高血圧の治療薬の中には、EDを引き起こしやすいものと、逆にEDを改善する可能性があるものがあります。

① EDを引き起こしやすい薬

  • β遮断薬(βブロッカー)
    • 交感神経の働きを抑える → 性的興奮が低下
    • 血圧を下げるが、陰茎への血流も減少する可能性
  • 利尿薬
    • 体内の水分量を減らす → 血液量が減少し、勃起しにくくなる
    • 亜鉛の排出を促進 → 亜鉛不足がテストステロン低下を招き、性欲減退の原因になる

② 比較的EDに影響が少ない、または改善の可能性がある薬

  • ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
    • 血管拡張作用があり、陰茎の血流を改善する可能性がある
  • ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)
    • EDの発症率が低く、血管の健康を保つ効果が期待される

→ 高血圧の治療中にEDが気になる場合は、医師に相談し、EDへの影響が少ない薬に変更できるか検討するとよい。


5. 高血圧とEDの予防・改善策

高血圧とEDは共通の生活習慣の改善によって予防・改善することが可能です。

生活習慣 高血圧の予防・改善 EDの予防・改善
塩分を控える 血圧上昇を防ぐ 血管の健康を維持
適度な運動 血流改善、血圧低下 陰茎への血流を増やす
禁煙 動脈硬化を防ぐ 血管の拡張能力を保つ
節酒 血圧を安定させる ホルモンバランスを整える
ストレス管理 自律神経を安定させる 性的興奮を維持しやすくなる

特に**運動(ウォーキング、スクワット、ストレッチ)**は、血流を改善し、高血圧とEDの両方に良い影響を与えます。


結論:高血圧とEDには強い関連がある

高血圧が続くと、血管の障害、ホルモンバランスの乱れ、神経機能の低下によってEDのリスクが高まります。さらに、高血圧の治療薬の一部はEDを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

しかし、適切な生活習慣の改善や、EDに影響の少ない降圧薬の選択によって、EDのリスクを軽減できる可能性があります。高血圧とEDが気になる場合は、医師と相談しながら治療や生活習慣の改善を進めることが重要です。

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新宿ウエストクリニック院長
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入江武志 医師 Dr. 入江
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