ジヒドロテストステロン

ジヒドロテストステロン(DHT: dihydrotestosterone)は、テストステロンから変換されて生じる強力なアンドロゲン(男性ホルモン)です。


基本情報

  • 生成経路
    テストステロンが 5α-還元酵素(5α-reductase) によって還元され、DHTに変換されます。
  • 作用の強さ
    テストステロンよりも アンドロゲン受容体への結合力が2〜5倍強い とされます。

生理的作用

  1. 胎児期
    • 外性器(陰茎・陰嚢・前立腺など)の形成に必須
  2. 思春期
    • 体毛の発達(ヒゲ、陰毛、胸毛など)
    • 声変わり、性器の成熟
  3. 成人期
    • 前立腺の成長・維持
    • 性欲・性機能への関与

臨床的な側面

  • DHTの過剰
    • 前立腺肥大症(BPH)
    • 前立腺がんの進展
    • 男性型脱毛症(AGA):毛包に作用し毛の成長期を短縮
  • DHTの不足
    • 外性器発達不全(胎児期)
    • 性機能低下

医薬品との関係

  • 5α-還元酵素阻害薬(フィナステリド、デュタステリドなど)
    → テストステロンからDHTへの変換を抑え、AGAや前立腺肥大症の治療に用いられる。

DHTは「テストステロンを超える強力な男性ホルモン」で、胎児の性器形成に不可欠ですが、成人では AGAや前立腺疾患の原因因子にもなるホルモンです。

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