男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)抜粋版

日本皮膚科学会による 「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」 の主な内容を整理しました。医学的エビデンスに基づき、治療薬や施術法を推奨度で分類しています。


ガイドラインの目的と背景

  • AGA(男性/女性型脱毛症)の診療水準を臨床根拠に基づいて向上させることが目的 (日本皮膚科学会)。
  • 初版は2010年、改訂は2017年12月20日に行われました 。

推奨される主要治療(推奨度A=強く勧められる)

  • ミノキシジル外用
    • 男性型・女性型脱毛症ともに「強く勧める(推奨度A)」 。
  • フィナステリド内服
    • 男性型脱毛症では「強く勧める(推奨度A)」。女性には推奨されない。
  • デュタステリド内服
    • 男性型脱毛症では「強く勧める(推奨度A)」。女性には推奨されない 。

非推奨(行うべきではない)

  • ミノキシジル内服(経口)
    • 日本では未承認であり、副作用リスクも考慮し「行うべきではない(推奨度D)」と明示。
  • 人工毛植毛
    • 安全性・効果の観点から「行うべきではない(推奨度D)」。
  • 成長因子導入・細胞移植療法
    • 科学的根拠が乏しく「行わないほうがよい(推奨度D)」 。

その他の治療法(中間評価BまたはC)

治療法 推奨度 コメント
自毛植毛術 B 「行うよう勧める」 。適応により効果的。
LED・低出力レーザー照射 B 効果と安全性は確認され、一部で「行うよう勧める」 。
カルプロニウム塩化物外用(育毛剤) C 「行ってもよい」 。
アデノシン外用 C 「行ってもよい」 。
t‑フラバノン外用 C 「行ってもよい」 。
ケトコナゾール外用 C 「行ってもよい(補助的役割)」 。
かつらの着用 C 「行ってもよい(QOL向上策として有効)」 。

注意事項と副作用

  • ミノキシジル外用薬は5%製品が市販されているが、15%や国外製品の利用は「安全性未確認」で推薦対象外。
  • フィナステリド服用では約1%に性欲低下やEDが報告されており、半年後にはPSA値が低く出る可能性があることに留意が必要。

まとめ

  • 男性型脱毛症では、ミノキシジル外用+フィナステリドまたはデュタステリド内服が最も推奨されます(推奨度A)。
  • 治療手段は効果と安全性を基に選択すべきで、未承認経口薬や根拠の乏しい施術は避けるべきとされています。