HIV治療薬

「HIV治療薬(抗レトロウイルス薬)」について整理します。


1. HIV治療薬とは

  • HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の増殖を抑える薬
  • 組み合わせ療法(ART:Antiretroviral Therapy)で使われる
  • 単独使用よりも 複数薬併用で耐性予防 が基本

2. 作用機序による分類

分類 代表薬 作用 備考
NRTI(核酸系逆転写酵素阻害薬) ザルシタビンエムトリシタビン ウイルスのDNA合成阻害 血中濃度への影響は少なめ
NNRTI(非核酸系逆転写酵素阻害薬) エファビレンツネビラピン ウイルス逆転写酵素阻害 CYP3A4代謝が多く、誘導作用があるものも
PI(プロテアーゼ阻害薬) リトナビルアタザナビルダルナビル ウイルス成熟阻害 CYP3A4を強力に阻害する薬が多い
INSTI(インテグラーゼ阻害薬) ラルテグラビルドルテグラビル ウイルスDNAの宿主染色体への組み込み阻害 CYP3A4への影響は比較的小
CCR5阻害薬 / 融合阻害薬 マラビロク / エンフビルチド ウイルス侵入阻害 経口 / 注射製剤あり

3. 臨床上の注意(ED薬・CYP3A4関連)

  1. CYP3A4阻害薬が多い
    • 特に プロテアーゼ阻害薬(リトナビル、ダルナビル) は CYP3A4を強力に阻害
    • ED薬シルデナフィルタダラフィルなど)やカルシウム拮抗薬との併用で 血中濃度上昇→副作用リスク増
  2. CYP3A4誘導作用
    • NNRTIの一部(ネビラピン、エファビレンツ)は CYP3A4を誘導 → ED薬の効果が弱まることがある
  3. 併用注意
    • QT延長薬やスタチンなど、他のCYP3A4代謝薬との併用で安全性に注意

4. まとめ

  • HIV治療薬は ウイルス増殖抑制薬
  • CYP3A4阻害・誘導作用がある薬が多く、ED薬や抗高血圧薬の血中濃度に大きな影響
  • 併用時は 用量調整や薬剤選択が必須