テストステロン・エストラジオール・SHBG の関係
男性ホルモンバランス(T・E2・SHBG)の理解
基本構造
男性ホルモンは以下の三角関係でバランスが決まります。
テストステロン(T) ←→ エストラジオール(E2)
↑
SHBG(結合タンパク)
- テストステロン(T):筋肉・性欲・勃起・骨・代謝を支える主要ホルモン
- エストラジオール(E2):女性ホルモンだが、男性でも必須。性欲・勃起・骨・血管・気分をサポート
- SHBG:血中ホルモンの結合率を調整。結合したT・E2は活性なし。遊離T・遊離E2が生理活性を持つ
各ホルモンのバランスと機能
| ホルモン | 高すぎる場合 | 低すぎる場合 | 適正バランス |
|---|---|---|---|
| テストステロン(T) | 攻撃性・多毛・ニキビ | 性欲低下・ED・筋肉減少・脂肪増加 | 遊離Tが20–30 pg/mL(血中遊離値) |
| エストラジオール(E2) | 女性化乳房・ED薬が効きにくい | 性欲消失・勃起不全・骨密度低下 | 20–30 pg/mL(血中値) |
| SHBG | 遊離T↓ → ED・性欲低下・筋肉減少 | 遊離T↑ → 過剰Tリスク | 中間値(20–40 nmol/L目安) |
ポイント:ED・性欲低下の多くは「Tが低い」より「遊離Tが低い=SHBGが高すぎる」ケースが多い
ホルモン間の因果関係
- T → E2変換
- アロマターゼにより、Tの一部がE2に変換
- 脂肪が多いほど変換↑ → 高E2 → SHBG↑ → 遊離T↓
- SHBGの影響
- SHBGが高いと遊離T・遊離E2が減少 → 性欲・勃起・筋肉に影響
- SHBGが低いと遊離Tが増える → 筋肉増加・脂肪減少だが代謝負荷もある
- コルチゾールの影響
- 高ストレス・慢性疲労 → T↓・SHBG↑ → 遊離T減少
- E2のバランスも崩れやすい
バランス異常パターンと臨床イメージ
| パターン | 原因 | 影響 |
|---|---|---|
| 高E2 + 高SHBG | 肥満・加齢・アルコール・TRT過剰 | ED薬効きにくい・女性化乳房・性欲低下 |
| 低T + 低E2 | 加齢・慢性病・栄養不足 | 性欲消失・筋肉減少・骨粗鬆症・ED |
| 高T + 低E2 | アロマターゼ阻害・TRT調整過剰 | 関節痛・骨減少リスク・脂肪減少 |
| 低SHBG + 低T | 肥満・糖尿病 | 遊離Tはそこそこあるが総T低・代謝負荷 ↑ |
健康・性機能維持の優先順位
- 脂肪管理(特に内臓脂肪)
- アロマターゼ活性を抑制 → T/E2バランス改善 → SHBG適正化
- 睡眠・ストレス管理
- コルチゾール抑制 → 遊離T維持
- 筋力トレーニング
- T上昇 → E2適正化 → SHBG安定
- 栄養管理
- 良質脂質・亜鉛・ビタミンD → T生成サポート
- 必要に応じたホルモン測定
- 総T・遊離T・E2・SHBGのセットで評価
まとめ
高脂肪・加齢
↓
T → E2 ↑
↓
SHBG ↑
↓
遊離T ↓ → ED・性欲低下・筋肉減少
↑
遊離E2適正で性機能維持
- 遊離T・遊離E2が理想範囲にあることが最重要
- 総Tだけ見てもバランスはわからない
- EDや性欲低下、筋肉減少の原因は 「遊離ホルモンの低下」によることが多い







