ミノキシジル:本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人
ミノキシジル製剤(外用)の添付文書にある
「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」
とは、過去にミノキシジル製剤を使用して、免疫学的な過敏反応(アレルギー反応)を起こした既往がある人を指します。
① 何に対するアレルギーなのか?
対象は2種類あります。
1 有効成分そのもの
- ミノキシジル(minoxidil)
2 添加物(外用液・フォームに含まれる成分)
代表例:
- プロピレングリコール(PG)
- エタノール
- ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
- その他溶解補助剤
実際は ミノキシジルよりもプロピレングリコールに対する接触皮膚炎の方が多い と言われています。
② どのような症状が「アレルギー症状」に該当するか?
軽度(接触皮膚炎型)
- 強いかゆみ
- 発赤
- 湿疹
- 水疱
- ただれ
- 使用部位を超えて広がる皮疹
※単なる刺激性皮膚炎(ヒリヒリするだけ)とは区別されます。
中等度〜重度(全身型)
- 顔面・まぶたの腫れ
- 蕁麻疹
- 呼吸苦
- 血圧低下
- アナフィラキシー(極めて稀)
外用ミノキシジルでのアナフィラキシーは非常に稀ですが、理論上は禁忌です。
③ 刺激性皮膚炎との違い(重要)
| 項目 | 刺激性皮膚炎 | アレルギー性接触皮膚炎 |
|---|---|---|
| 原因 | 濃度刺激 | 免疫反応(Ⅳ型) |
| 初回使用 | すぐ出る | 数日〜数週間後 |
| 広がり | 塗布部位のみ | 周囲に拡大 |
| 再使用 | 同じ程度 | 悪化しやすい |
アレルギー歴がある場合は再投与で悪化します。
④ 具体的に「使用してはいけない人」
過去にミノキシジル使用で
- 医師に「アレルギー」と診断された
- ステロイド外用が必要な皮疹が出た
- パッチテスト陽性
- 再使用で毎回悪化
このようなケースは禁忌に該当します。
⑤ 実臨床での判断ポイント
再使用を避けるべき症状:
- 使用中止後も数日続く強い湿疹
- 滲出液を伴う皮膚炎
- 頭皮以外に広がる
- 顔面浮腫
単なる
- 軽いかゆみ
- 乾燥
- フケ増加
は必ずしも禁忌にはなりません。
⑥まとめ
「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」とは:
ミノキシジルまたはその添加物に対し、免疫学的過敏反応(特に接触皮膚炎や全身性アレルギー)を起こした既往のある人
であり、再使用により重症化する可能性があるため禁忌です。


