テストステロンとDHTの違い

テストステロン(T)とDHT(ジヒドロテストステロン)は、同じ「男性ホルモン」でも役割・作用部位・臨床的意味がまったく違うため、ED・性欲・AGAを考えるうえで区別は必須です。


① 最重要

項目 テストステロン DHT
位置づけ 中枢司令塔 末端実行役
主作用 性欲・意欲・筋力・活力 勃起補助・前立腺・体毛
脳作用 強い ほぼなし
AGA関与 間接的 直接原因
EDへの影響 限定的

性欲=テストステロン
髪・前立腺=DHT


② 生合成の違い(流れ)

コレステロール
   ↓
テストステロン
   ↓(5αリダクターゼ)
DHT
  • DHTはテストステロンから作られる
  • 変換酵素:5αリダクターゼ

③ 作用の「強さ」と「場所」

● 作用強度

  • DHTはテストステロンの約5倍のアンドロゲン作用
  • ただし局所限定

● 作用部位

臓器 テストステロン DHT
×
筋肉
陰茎
前立腺
毛包(頭)

④ 性欲・EDとの関係(重要)

● テストステロン

  • 性欲の根源
  • NO産生↑ → 勃起しやすくなる
  • 低下すると
    → やる気消失
    → 朝勃ち消失
    → PDE5阻害薬が効きにくい

● DHT

  • 性欲への影響は弱い
  • 勃起維持の補助的役割
  • 過剰でも性欲は上がらない

「DHTを下げればEDになる」は誤解
→ 多くは心理要因やT低下が本体


⑤ AGA治療薬との関係

作用 影響
フィナステリド 5αRⅡ阻害 DHT↓
デュタステリド Ⅰ+Ⅱ阻害 DHT大幅↓

ポイント

  • テストステロンは下がらない(むしろ微増)
  • 性欲低下は一部の感受性高い人

⑥ 「テストステロン正常でも不調」な理由

  • 遊離テストステロン低下
  • SHBG高値
  • 睡眠不足
  • 肥満・炎症

数値だけでは判断不可


⑦ よくある誤解

X DHT=悪
X AGA薬=必ずED
X 性欲=DHT

O DHTは必要だが過剰が問題
O 性欲とEDはテストステロン主導


⑧ まとめ

性欲と活力を支配するのはテストステロン、髪と前立腺を暴走させるのがDHT