骨密度の減少の弊害

骨密度の減少による弊害には、以下のような問題が挙げられます。

1. 骨折のリスク増加

骨密度が低下すると、骨が脆くなり、転倒や軽い衝撃でも骨折しやすくなります。特に高齢者では、股関節、背骨、手首などの骨折がよく見られ、これらの骨折は生活の質に大きな影響を与えます。

2. 骨粗鬆症

骨密度が一定の基準を下回ると、骨粗鬆症と診断されます。この疾患は特に閉経後の女性や高齢者に多く見られ、骨が非常に脆くなるため、日常生活でのちょっとした動作でも骨折のリスクが高まります。

3. 背骨の圧迫骨折

骨密度が低下すると、脊椎（背骨）に圧力がかかりやすくなり、圧迫骨折を引き起こすことがあります。この骨折は背中や腰に強い痛みを伴い、姿勢の悪化（猫背）や身長の低下を引き起こすことがあります。

4. 運動能力の低下

骨折や痛みのために体を動かすことが難しくなり、運動不足に陥る可能性があります。これがさらに骨密度の低下を招くという悪循環に陥ることがあります。また、活動が制限されると筋肉量も減少し、バランス感覚や体力の低下を引き起こします。

5. 日常生活への支障

骨折や圧迫骨折によって歩行や日常の動作が困難になり、特に高齢者では介護が必要になる場合があります。骨折後のリハビリも長期化することがあり、独立した生活が難しくなるケースも多いです。

6. 慢性的な痛み

骨折や圧迫骨折により、慢性的な腰痛や背中の痛みが発生することがあります。特に脊椎の圧迫骨折は、自然に治癒するまで時間がかかるため、痛みが長期にわたることが多いです。

7. 転倒の恐怖による活動制限

骨密度が低いことで骨折のリスクが高い場合、転倒への恐怖から外出や運動を避けるようになることがあります。これにより社会的孤立や運動不足が進み、さらに健康状態が悪化することがあります。

8. 死亡リスクの増加

特に高齢者において、股関節の骨折は手術が必要となる場合が多く、手術後の合併症や長期の寝たきり生活により、死亡リスクが高まることがあります。また、骨折に伴う活動の制限は、他の健康問題（呼吸器や心血管疾患）のリスクを増加させることもあります。

骨密度の低下を予防・対処するためには、カルシウムやビタミンDの適切な摂取、適度な運動、日光浴、必要に応じた薬物療法が重要です。

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