クラミジアは、クラミジアという細菌を原因とする性感染症です。男女、感染箇所によって症状は異なります。数ある性感染症のなかでもっとも感染者数が多く、日本国内では毎年ほぼ25,000人で推移しています。またクラミジアと淋病は同時に感染するケースが多く、どちらか一方の感染が疑われるときは、症状がなくてもパートナーの確認も行うことを強くすすめます。
クラミジアの症状
感染箇所が性器か咽頭か、あるいは男女かで症状が異なり、検査もそれぞれに応じたものが必要です。
男性
感染から1~3週間前後で、排尿時に不快感を持ったり、尿道から白っぽい膿が現れることがあります。もしあっても症状が軽いため、放置すると前立腺炎などに進行し、不妊の原因になることがあります。
女性
男性に比べ目立った症状が現れないことが、女性の検査や受診の機会を逃すことにつながりやすくしています。気づかないまま放置すると卵管の狭窄などを引き起こして不妊の原因になることがあります。また、妊婦が感染している場合、産道で感染することによって赤ちゃんに肺炎や結膜炎が現れる危険があります。
性器・咽頭以外の箇所
オーラルセックスで、また原因菌が付着した手などで目や鼻の粘膜を触り、咽頭部に感染すると、咽頭部の腫れや痛みが現れることがありますが、これも程度が軽いため発見の遅れることがあります。
男性 | 排尿時の痛み(軽い) 尿道に痒みのような違和感 尿道から少量の分泌物 |
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女性 | おりものの増加 不正出血(生理ではない出血) 下腹部の痛み |
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男女 |
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咽頭、直腸、結膜(目)へも感染し、軽度の炎症を除いて多くは無症状のままですが、その後体内に広がる可能性があります。 |
クラミジアの感染経路
クラミジアは感染した人の精液・腟分泌液などに存在し、性行為で体の粘膜と原因菌が接触することで感染します。クラミジア自体は非常に弱い細菌なので、人の体から離れればやがて死滅します。そのため性行為以外での接触やウイルスのように飛沫感染する可能性はありません。ただし感染者との性交渉での確率は50%以上、クラミジアに感染しているとHIVなどほかの性感染症の感染率も高くなりますので注意が必要です。
潜伏期間と検査
感染して症状がなくても体内では炎症が広がっており、他人に感染させる力も持ったままです。日常生活に問題を感じなくても心配があれば、先ずはセルフ検査キットで感染の可能性を確認してみることは重要です。症状が現れるまでの潜伏期間は1~3週間ですが、心配のある性行為から24時間以降であれば感染の可能性をチェックできます。
クラミジアの治療
クラミジア感染症の治療には、抗菌薬を用います。 感染部位が性器の場合、相互に感染している可能性が高いため、自身が治療すると同時にパートナーの検査・治療も強くすすめます。近年は薬剤耐性のある原因菌が見つかっているので、症状がよくなったからといって自己判断で薬を中断せず、かならず医師の指示通りに服用して下さい。
クラミジアの予防
性行為の際にコンドームを使用することが基本です。治療を行っても免疫はできませんので、予防策なしに感染者と性交渉を行うと容易に再感染します。気付かないうちに他者にうつす・うつされる状態を繰り返すいわゆるピンポン感染もみられます。また不特定多数との性行為が多いなど、性的な活動が高ければ定期的な検査を行うことも重要です。
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新宿ウエストクリニック院長
安心の医師略歴・著書、メディア履歴臨床経験豊富な当院医師の論文
Dr. 入江
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