デイリータダラフィルを服用できない人とは?硝酸薬・降圧薬・併用薬を確認
デイリータダラフィルは、低用量のタダラフィルを1日1回継続して服用するED治療法です。
1回の用量が2.5mgまたは5mgと少なくても、禁忌や薬物相互作用がなくなるわけではありません。毎日服用するため、タダラフィルの作用が継続している状態で新しい薬が追加される可能性もあります。
治療を始める前には、心臓や血圧の状態、腎機能・肝機能、服用中の薬を確認し、医師が安全性を個別に判断する必要があります。
デイリータダラフィルを服用できない主な人
タダラフィルは、次のいずれかに該当する場合には使用できません。
- タダラフィルの成分で重いアレルギー反応を起こしたことがある
- 硝酸薬または一酸化窒素供与薬を使用している
- リオシグアトを使用している
- 心血管系の状態から性行為が不適当と判断されている
- 不安定狭心症がある
- 性交中に狭心症を起こしたことがある
- コントロールされていない不整脈がある
- 血圧が著しく低い、または高血圧が十分に管理されていない
- 最近3か月以内に心筋梗塞を起こした
- 最近6か月以内に脳梗塞または脳出血を起こした
- 重度の肝機能障害がある
- 網膜色素変性症がある
国内のシアリス錠では、血圧90/50mmHg未満の低血圧、または安静時血圧170/100mmHgを超えるコントロール不良の高血圧も禁忌とされています。
硝酸薬とは絶対に併用できない
タダラフィルと硝酸薬・一酸化窒素供与薬の併用は禁止されています。
代表的な薬には、次のようなものがあります。
- ニトログリセリン
- 硝酸イソソルビド
- 亜硝酸アミル
- ニコランジル
- その他の硝酸薬・一酸化窒素供与薬
硝酸薬には、内服薬だけでなく、舌下錠、口腔内スプレー、貼付薬、注射薬などがあります。毎日服用する薬だけでなく、狭心症発作時に使用する頓服薬も確認が必要です。
硝酸薬は体内のcGMPを増加させ、タダラフィルはcGMPの分解を抑えます。両者を併用すると血管拡張作用が過度に強まり、危険な血圧低下を起こす可能性があります。
胸痛が起きてもニトログリセリンを自己使用しない
デイリータダラフィルの服用中に胸痛が起きた場合は、ニトログリセリンを自己判断で使用せず、性行為を中止して救急要請を行います。
救急隊員や医療従事者には、次の情報を必ず伝えてください。
- タダラフィルを毎日服用していること
- 1回の服用量
- 最後に服用した時刻
- 使用している製品名
- ほかに服用している薬
米国の添付文書では、生命に関わる状況で硝酸薬の使用が必要となった場合でも、タダラフィルの最終服用から少なくとも48時間経過した後に、医療管理下で検討するとされています。これは48時間後なら患者が自己判断で硝酸薬を使用できるという意味ではありません。
リオシグアトも併用できない
肺高血圧症の治療に使用されるリオシグアトは、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬に分類されます。
リオシグアトとタダラフィルを併用すると、細胞内のcGMP濃度が増加し、血圧低下作用が強く現れる可能性があります。そのため、両者の併用は禁止されています。
降圧薬を服用している人は使用できない?
高血圧の薬を服用しているだけで、タダラフィルが一律に使用できなくなるわけではありません。
ただし、タダラフィルにも血管を広げて血圧を下げる作用があるため、降圧薬との併用によって血圧低下が強くなる可能性があります。
併用注意となる代表的な降圧薬には、次のようなものがあります。
- アムロジピンなどのカルシウム拮抗薬
- エナラプリルなどのACE阻害薬
- カンデサルタンなどのARB
- メトプロロールなどのβ遮断薬
- 利尿薬
- 複数の降圧薬を組み合わせた配合薬
国内添付文書では、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬とタダラフィルを併用した際に、収縮期血圧と拡張期血圧が低下したとの報告があります。
降圧薬との併用中は、次の症状に注意します。
- 立ちくらみ
- めまい
- ふらつき
- 冷や汗
- 動悸
- 強い倦怠感
- 目の前が暗くなる
- 失神
特に治療開始直後や用量変更後、脱水時、多量飲酒時には注意が必要です。
α遮断薬との併用に注意
前立腺肥大症や高血圧の治療に使用されるα遮断薬も、血圧を下げることがあります。
代表的な薬には、次のようなものがあります。
- ドキサゾシン
- テラゾシン
- タムスロシン
- シロドシン
- ナフトピジル
国内添付文書では、ドキサゾシンとの併用による血圧低下や、α遮断薬との併用で失神などを伴う低血圧が報告されています。
海外のEDに対する連日投与では、α遮断薬による治療が安定していることを確認したうえで、タダラフィルを最も低い推奨用量から開始するよう示されています。
α遮断薬を使用している場合は、薬の名前、服用量、服用時刻、最近の増量の有無を医師へ伝える必要があります。服用時刻をずらすだけで相互作用がなくなるとは限りません。
CYP3A4阻害薬はタダラフィルの作用を強める
タダラフィルは、主に肝臓のCYP3A4という酵素によって代謝されます。
CYP3A4の働きを阻害する薬と併用すると、タダラフィルが体内に長く残り、血中濃度が上昇する可能性があります。
代表的な薬・食品には、次のようなものがあります。
- イトラコナゾール
- ケトコナゾール
- クラリスロマイシン
- リトナビル
- ダルナビル
- インジナビル
- サキナビル
- その他の一部の抗真菌薬・抗菌薬・抗ウイルス薬
- グレープフルーツジュース
血中濃度が上昇すると、頭痛、ほてり、消化不良、背部痛、めまい、血圧低下などが強く現れる可能性があります。国内のシアリス錠でも、強いCYP3A4阻害薬を使用している患者には、低用量から開始して服用間隔を十分に空けることが求められています。
海外の連日投与では、ケトコナゾールやリトナビルなどの強力なCYP3A4阻害薬を併用する場合、タダラフィルの連日投与量を2.5mg以下としています。
CYP3A4誘導薬は効果を弱めることがある
CYP3A4の働きを強める薬は、タダラフィルの代謝を速め、血中濃度を低下させる可能性があります。
代表的なものには、次の薬があります。
- リファンピシン
- フェニトイン
- フェノバルビタール
- その他のCYP3A4誘導薬
国内添付文書では、リファンピシンとの併用によって、タダラフィルの血中曝露量が大きく低下したことが報告されています。
効果が弱いと感じても、患者が自己判断で増量してはいけません。併用薬による影響を医師が確認し、治療方法を見直します。
ほかのED治療薬と併用しない
デイリータダラフィルを服用している日に、次の薬を自己判断で追加してはいけません。
- タダラフィル10mg・20mg
- シアリス錠
- シルデナフィル
- バルデナフィル
- アバナフィル
- その他のPDE5阻害薬・ED治療薬
国内添付文書では、タダラフィルとほかのPDE5阻害薬またはED治療薬を併用した経験はないとされています。
効果が不十分な場合は、追加服用ではなく、服薬状況、用量、EDの原因、副作用、治療方法を医師が再評価します。
ベルイシグアト・カルペリチドにも注意
心不全治療薬のベルイシグアトとタダラフィルを併用すると、症候性低血圧を起こす可能性があります。
国内添付文書では、治療上の利益と危険性を十分に検討し、やむを得ないと判断した場合に限って併用するよう求められています。
カルペリチドについても、タダラフィルとの併用によって降圧作用が強まる可能性があります。
これらは心不全などで使用される薬であるため、循環器内科から処方されている薬がある場合は、必ず医師へ申告してください。
腎機能が低下している人
タダラフィルは、腎機能が低下すると体内への薬物曝露が増加する可能性があります。
海外の連日投与では、クレアチニンクリアランスが30mL/分未満の患者または透析中の患者に対する1日1回投与は推奨されていません。
中等度の腎機能低下がある場合には、2.5mgから開始し、患者の反応に応じて5mgへの増量を検討する用法が示されています。ただし、対象となる効能によって用量の規定が異なるため、検査結果に基づく医師の判断が必要です。
次のような人は、治療前に腎機能検査の確認が必要です。
- 慢性腎臓病を指摘されている
- 透析を受けている
- 腎臓病の治療歴がある
- 高齢で腎機能が不明
- 糖尿病や高血圧が長く続いている
- 利尿薬を使用している
肝機能障害がある人
国内のシアリス錠では、重度の肝機能障害がある患者への投与は禁止されています。
海外の医薬品情報では、軽度または中等度の肝機能障害がある患者に対する連日投与は十分に評価されていないため、慎重な判断が必要とされています。重度の肝機能障害では連日投与は推奨されません。
肝炎、肝硬変、脂肪肝、肝機能検査の異常、多量飲酒歴がある場合は、治療前に医師へ伝えてください。
多量の飲酒にも注意
タダラフィルとアルコールには、いずれも血管を広げる作用があります。
多量の飲酒と重なると、次のような症状が現れやすくなる可能性があります。
- 頭痛
- ほてり
- 動悸
- めまい
- 立ちくらみ
- 起立性低血圧
- 失神
海外の添付文書では、タダラフィルと多量のアルコールを組み合わせると、血圧低下の危険が高まると注意されています。
デイリータダラフィルでは毎日薬を服用するため、飲酒する日だけ自己判断で薬を増減したり、中止したりしないでください。普段の飲酒量を処方医へ伝えることが重要です。
市販薬・サプリメントも申告する
患者自身が「処方薬ではないから関係ない」と考えている製品にも、相互作用の原因となる成分が含まれている可能性があります。
診察時には、次のものも含めて申告してください。
- 市販薬
- 漢方薬
- 健康食品
- サプリメント
- 海外から購入した医薬品
- 個人輸入したED治療薬
- 筋力増強・精力増強をうたう製品
- 頓服薬
- 貼付薬
- 吸入薬・スプレー薬
製品名が分からない場合は、現物、包装、写真、お薬手帳などを医師に提示します。
処方前に確認すべき項目
デイリータダラフィルを希望する場合は、少なくとも次の項目を医師へ伝えてください。
- 心臓病、狭心症、心筋梗塞の既往
- 脳梗塞・脳出血の既往
- 不整脈
- 高血圧・低血圧
- 腎臓病・透析
- 肝臓病
- 目や耳の病気
- 持続勃起症の既往
- 服用中のすべての薬
- 頓服のニトログリセリンの有無
- 市販薬・サプリメント
- 飲酒量
- 過去にED治療薬で起きた副作用
既往歴や併用薬を隠して処方を受けると、重い血圧低下や心血管系の問題につながる可能性があります。
服用中に新しい薬が処方されたら
デイリータダラフィルの開始時に問題がなくても、その後に新しい薬が追加されることがあります。
ほかの医療機関や診療科を受診するときは、タダラフィルを毎日服用していることを伝えてください。特に狭心症、心不全、高血圧、前立腺肥大症、感染症の治療薬が追加された場合は、相互作用の再確認が必要です。
自己判断でタダラフィルだけを中止・再開するのではなく、処方した医師へ相談してください。
日本国内での位置づけ
日本国内の医療用シアリスで承認されているED治療の通常用法は、タダラフィル10mgを性行為の約1時間前に服用する必要時投与です。国内では、EDに対する2.5mgまたは5mgの連日投与は承認用法ではありません。
また、国内のタダラフィル錠2.5mg・5mgZAは、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬です。これらをED目的で連日使用する場合は、その製品に承認された効能と異なる使用になります。
国内でデイリータダラフィルを行う場合は、承認用法・効能との違いについて説明を受けたうえで、心血管系の状態、血圧、腎機能・肝機能、併用薬を医師が確認し、必要性と安全性を個別に判断することが前提です。
まとめ
デイリータダラフィルは低用量を使用する治療ですが、硝酸薬・一酸化窒素供与薬やリオシグアトとの併用はできません。
降圧薬やα遮断薬は一律に併用禁止ではありませんが、血圧低下が強くなる可能性があります。CYP3A4阻害薬はタダラフィルの血中濃度を高め、CYP3A4誘導薬は効果を弱める可能性があります。
治療開始前には、お薬手帳だけでなく、頓服薬、市販薬、サプリメント、貼付薬なども含めて、使用しているものをすべて医師へ伝えることが重要です。
また、治療開始後に新しい薬が追加された場合も、相互作用を再確認する必要があります。
※本記事は医薬品に関する一般的な情報です。タダラフィルの開始、増量、減量、中止、ほかの医薬品との併用を自己判断で行わないでください。
デイリータダラフィル徹底解説
- デイリータダラフィルとは?低用量を毎日服用するED治療を解説
- デイリータダラフィルと必要時服用の違いとは?服用方法と特徴を比較
- デイリータダラフィルは2.5mgと5mgのどちらを使う?用量の考え方
- デイリータダラフィルはいつから効果が安定する?連日服用と血中濃度の関係
- デイリータダラフィルは毎日同じ時間に飲む?正しい服用方法と飲み忘れ時の注意
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- 性行為のタイミングを気にしなくてよい?デイリータダラフィルの利点と適する人
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