デイリータダラフィルと前立腺肥大症の関係は?

新宿ウエストクリニック

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デイリータダラフィル徹底解説

デイリータダラフィルと前立腺肥大症の関係は?EDと排尿症状を分けて解説

タダラフィルは、ED(勃起不全)と前立腺肥大症に伴う排尿障害の両方に使用されることがある有効成分です。

海外では、タダラフィル5mgを1日1回服用する方法が、EDと前立腺肥大症に伴う下部尿路症状を併発している患者の治療にも用いられています。しかし、日本では製品ごとに承認された効能・用法が異なるため、同じ成分・同じ5mgであっても、ED治療と排尿障害治療を同じものとして扱うことはできません。

EDと前立腺肥大症に伴う排尿障害は別の症状

EDは、満足な性行為を行うために必要な勃起が得られない、または勃起を維持できない状態です。

一方、前立腺肥大症に伴う排尿障害では、尿が出にくい、尿の勢いが弱い、排尿途中で尿が途切れる、排尿後も尿が残っている感じがする、頻尿や夜間頻尿があるといった症状がみられます。

両者は併存することがありますが、症状の現れる部位と治療目的は異なります。EDがあるから前立腺肥大症である、または排尿症状があるからEDになると単純に判断することはできません。EDは前立腺肥大症や下部尿路症状と関連してみられることがありますが、それぞれについて診断する必要があります。

比較項目 ED 前立腺肥大症に伴う排尿障害
主な症状 勃起できない、硬さが不十分、維持できない 尿が出にくい、勢いが弱い、残尿感、頻尿、夜間頻尿
主な治療目的 性的刺激時の勃起と維持を助ける 排尿に関する症状を軽減する
タダラフィルの主な作用部位 陰茎海綿体とその血管 前立腺、膀胱、尿道などの下部尿路
日本での代表的な製品 シアリス錠などのED治療用製剤 タダラフィル錠ZAなど
診断 EDの原因と心血管リスクを評価 適切な検査で前立腺肥大症を確認

なぜ両方にタダラフィルが使われるのか

タダラフィルは、PDE5という酵素の働きを阻害する薬です。

ED治療では、性的刺激によって産生されたcGMPの分解を抑えます。その結果、陰茎海綿体の平滑筋が緩み、陰茎への血流が増えることで、勃起とその維持を助けます。

ただし、タダラフィルを服用しただけで自動的に勃起するわけではありません。性的刺激が必要であり、性欲を高める催淫剤や性欲増進剤でもありません。

前立腺肥大症に伴う排尿障害では、PDE5を阻害して細胞内のcGMPを増加させることで、膀胱、前立腺、尿道などの平滑筋の緊張を緩める作用が関係すると考えられています。

下部尿路の血流や神経伝達に影響する可能性も示されていますが、排尿症状を改善する詳しい仕組みは完全には解明されていません。

デイリータダラフィルと排尿症状の関係

デイリータダラフィルは、2.5mgまたは5mgの低用量タダラフィルを1日1回継続して服用する方法です。

海外では、EDに対する連日投与は2.5mgから開始し、効果と副作用への耐えやすさに応じて5mgへ増量できます。前立腺肥大症に伴う症状、またはEDと前立腺肥大症に伴う症状の両方を治療する場合は、5mgを1日1回服用する用法が設定されています。

このため、EDと排尿症状を併発している患者では、タダラフィル5mgの連日投与によって、勃起機能と下部尿路症状の双方に改善がみられる可能性があります。欧州泌尿器科学会のガイドラインでも、タダラフィル5mgの1日1回投与は、EDを伴う男性下部尿路症状の治療選択肢として位置づけられています。

ただし、海外でEDと排尿症状の双方に使用されていることと、日本国内で使用する製品の承認効能・用法は分けて考える必要があります。

日本国内では製品の承認効能が異なる

日本国内の医療用シアリス錠の効能・効果はEDです。

通常はタダラフィル10mgを性行為の約1時間前に服用し、効果が不十分で副作用に問題がない場合には20mgへの増量が検討されます。5mg錠は、中等度・重度の腎機能障害がある患者や、強いCYP3A4阻害薬を使用している患者などで、低用量から開始するために用いられます。

日本国内では、EDに対してシアリス錠2.5mgまたは5mgを毎日服用する用法は承認されていません。

一方、タダラフィル錠2.5mg・5mgZA「シオエ」の効能・効果は、前立腺肥大症に伴う排尿障害です。

通常はタダラフィルとして5mgを1日1回服用します。中等度の腎機能障害がある患者や、強いCYP3A4阻害薬を使用している患者では、2.5mgからの開始が検討されます。

したがって、タダラフィル錠ZAをED目的のデイリータダラフィルとして使用する場合は、その製品に承認された効能とは異なる使用になります。

同様に、ED治療用のシアリス錠5mgを自己判断で毎日服用し、前立腺肥大症の治療薬として使用することも適切ではありません。

タダラフィルは前立腺を小さくする薬ではない

前立腺肥大症用のタダラフィルは、前立腺そのものを縮小させることを主な目的とした薬ではありません。

タダラフィル錠ZAの添付文書では、この治療は原因療法ではなく対症療法と位置づけられています。つまり、前立腺肥大症に伴う尿の出にくさや頻尿などの症状を軽減するための治療です。

欧州泌尿器科学会のガイドラインでも、タダラフィルは下部尿路症状を改善する一方、前立腺の縮小や病気の進行抑制については十分な情報がないとされています。

前立腺を小さくする必要がある場合には、5α還元酵素阻害薬など別の治療が検討されることがあります。症状が十分に改善しない場合には、ほかの薬物療法や手術療法を含めて治療方針を見直します。

排尿症状があれば前立腺肥大症とは限らない

尿の勢いが弱い、頻尿、残尿感、夜間頻尿などの症状だけで、前立腺肥大症と断定することはできません。

タダラフィル錠ZAの添付文書でも、使用前に国内外の診療ガイドラインを参考にし、適切な検査によって前立腺肥大症の診断を確定するよう求められています。

排尿症状の評価では、症状の内容や経過、服用中の薬、既往歴などを確認し、必要に応じて尿検査、残尿測定、前立腺の評価などを行います。

血尿、排尿時の強い痛み、発熱、尿がまったく出ない状態などがある場合は、デイリータダラフィルの適否を検討する前に、原因を確認する必要があります。

EDと排尿症状が両方ある場合

EDと排尿症状を併発している場合でも、まずそれぞれを分けて評価します。

EDについては、勃起の硬さ、維持、朝立ち、性欲、基礎疾患、心理的要因などを確認します。排尿症状については、尿の勢い、排尿回数、夜間頻尿、残尿感などを確認します。

必要に応じて、EDにはIIEF-5、排尿症状にはIPSSなどの質問票を使用すると、治療前後の変化をそれぞれ評価しやすくなります。男性下部尿路症状の診療では、性機能についても併せて評価することが推奨されています。

タダラフィルの服用後に勃起機能と排尿症状の両方が改善した場合でも、EDと前立腺肥大症が同じ病気になったという意味ではありません。同じ薬理作用が、異なる部位の症状に働いたと考えます。

併用薬にも注意が必要

前立腺肥大症の患者では、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル、ドキサゾシンなどのα遮断薬を服用していることがあります。

タダラフィルにも血管拡張作用があるため、α遮断薬や降圧薬と併用すると、めまい、立ちくらみ、ふらつき、失神などを伴う血圧低下が起こる可能性があります。服用中の薬を医師へ正確に伝えることが重要です。

ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの硝酸剤・NO供与剤や、肺高血圧症治療薬のリオシグアトとは併用できません。併用すると血圧が過度に低下する危険があります。

デイリータダラフィルが適する可能性のある人

デイリータダラフィルは、次のような患者で治療選択肢として検討されることがあります。

  • EDと排尿症状の両方がある
  • 性行為前に薬を服用することが心理的負担になっている
  • 性行為の予定を事前に決めにくい
  • 性行為の機会が比較的多い
  • 毎日の服薬管理ができる
  • 低用量連日投与の利点と国内承認上の位置づけを理解している

ただし、排尿症状があるだけでデイリータダラフィルを選ぶのではなく、前立腺肥大症の診断、EDの状態、腎機能・肝機能、心血管系の状態、血圧、併用薬を確認したうえで医師が判断します。

まとめ

タダラフィルは、PDE5を阻害する作用によって、EDでは性的刺激時の勃起反応を助け、前立腺肥大症に伴う排尿障害では下部尿路の平滑筋の緊張などに作用します。

そのため、海外ではタダラフィル5mgの1日1回投与が、EDと前立腺肥大症に伴う排尿症状を併発する患者に使用されています。

一方、日本では、ED治療用のシアリス錠と、前立腺肥大症に伴う排尿障害用のタダラフィル錠ZAで、承認された効能・用法が分かれています。

EDと排尿症状の両方がある場合でも、両者を別々に評価し、使用する製品、用量、治療目的を明確にすることが重要です。

※本記事は医薬品に関する一般的な情報です。デイリータダラフィルの開始、用量変更、ほかのED治療薬や前立腺肥大症治療薬との併用を自己判断で行わないでください。

デイリータダラフィル徹底解説

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