女性の不感症について Dr.M 
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この相談室を開設して、男性が膣でイカない男性膣不感症(無漏)に続いて多いものに、
女性の不感症の相談があります。
その多くは自慰では達するけど、彼との性交で達しないという悩みです。
結構、その悩みは深刻で一生不感症のままなのかとか、
どうしたら感じることができるのか・・・と女性達もかなり悩んでいるのです。
原因の多くは性交の場合の性感は膣で感じるのだという誤解から来ていると思います。
そこで私なりにその傾向と対策を考えてみました。

自慰ではイケるのに
女性の自慰は主にクリトリスを刺激するのが一般的でしょう。
刺激の仕方も指でいじることが多いと思います。
そのいじり方もコスルのがほとんどで、
トントンとたたいたり押すだけの刺激で感じることは少ないのではないでしょうか。

実際に性交の場合はピストン運動が主になるので、クリトリスにはたたくような刺激が中心で、
自慰の時とはかなり刺激が違ってきます。
ですから自慰ではすぐにイケるのに性交ではなかなかイケないということが起きるのですね。
ここがポイントです。

膣では感じない?

女性器の性感帯はクリトリスに集中しています。
膣は男性器でいえば亀頭ではなく陰茎(サオ)にあたる所で
性感帯が集中しているのは亀頭とその周辺ですから
男性だって陰茎だけ擦っても射精するのは難しいものです。
そのように膣は医学的にも性感が発達していない部分なのです。
だから膣への刺激はこの陰茎だけ擦っているのに近いものがあると思います。
たしかに膣でもGスポットなどは感じやすい所ですが、
けっしてクリトリスほど女性の全員が敏感に感じるというわけではありません。

膣だけでクリトリス以上に深く強く感じることができるし
クリトリスとはまるで比較にならないという一部の女性の根強い主張もあるようですが、
このあたりはセックス中の陶酔感や自己催眠など一種のトランス(放心)状態のような状況もあるので、
実際にはそういう方は決して多くはなく希なのです。
ただ、回路を作れば膣で感じることも可能でしょう。(後述)

セックスのミスマッチ
ところが、男性も女性もお互い膣で感じるものだと思って性交している場合が多いのが現状です。
どうして、こうなったのか私は実に不思議ですね。

おたがい膣で達すると思いこんで鈍い膣を激しくピストン運動で刺激しているのです。
先にいったように、女性器の性感はクリトリスに集中しているので、
ここを無視して膣を刺激し続けても、なかなかエクスタシーに達するものではないのですよ。

ピストン運動だけで女性
がイキにくい理由もそこにあるのです。
また後背位で女性がイキにくいのはクリトリスにほとんど刺激が加わらないからです。
ここで、そうだったのかあと深〜くうなずく男性方も多いことでしょうね。

まずクリトリスでいこう
男性も女性もクリトリスで女性が達するのだということを十分に認識して、
性交中はそこに刺激が集中するように工夫してみてください。
男性もこれがわかってないと、パートナーはいつまでたってもイケないままですよ。
ここも大切なポイントです。

男性はピストン運動はもちろんしてもいいのですが、
そればかりではクリトリスへの刺激は、トントンとタップのようで感じにくいですから、
根元を押しつけて擦りに近くなるように腰をグラインドしたり上下や斜めに動かす運動を加えてください。

膣をペニスで攻めているのではなくペニスの根部でクリトリスを攻めるイメージが大切です。
女性も性交時も自慰で感じる時のようにクリトリスに神経を集中して性感を高めましょう。
これなら、今まで性交でほとんど感じなかった女性も必ず深く感じると思います。

やっとそこまで体験したら、次は幻ともいわれている膣性感に挑戦してみるのもいいでしょう。
中にはそこから、膣で感じる女性も出てくるでしょうね。
ただ、それも膣単独で達するのは非常に希でクリトリスを中心とした挿入感による複合的な達し方が多いと思います。
膣のみで達するのはクリトリスにはノータッチでバイブだけでイケるような状態と言えるでしょう。
それは超人的なワザなのです。
ま・本当は脳でイっているのですから、それも不可能ではないと思いますが。(後述・脳内麻薬エンドルフィン)

体位の工夫
まだ性交でイッたことのないビギナーは体位もそのために工夫した方がいいでしょう。
なかなかイカない女性相手に私が推奨する体位は次のようなものです。

1)下肢を伸ばす場合

正常位で挿入したまま女性が足を真っ直ぐに伸ばして腿を閉じます。
男性はその上から自分の下肢で女性の下肢をはさむようにします。

私の理論では、男性器をはさむようにする体位がクリトリスの内圧も高まり、
刺激を一番感じ易い状態になるのではないかと考えるからです。
さらに足を伸ばして力を入れるとクリトリスの感度はあがります。
足を伸ばさないとイケないという女性の方がいますが、それがその理由です。

そして男性は亀頭ではなく陰茎の基部でクリトリスをコスるイメージで性交するのがよいでしょう。
ゆっくりしたピストン運動とグラインドを交互に繰り返してみてください。
決して、激しくしたり強くする必要はありません。
時々はそのまま押しつけるように静止してみてください。
きっと、めくるめく次の次元がやってくるでしょう。

2)正常位で下肢を伸ばさない場合(つまり腿をひろげた一般的な体位です)

腿を開いていても性交での男根の動きがC(クリトリス)を擦るよう刺激すれば大丈夫です。
あてるのではなく擦るです。

正常位で膣の角度とピストン運動の方向を同じにしていると、
Cへの刺激は擦りになりません、陰茎根部がトントンあるいはドンドンあたるだけです。
ですから、男性はいつもより上(頭側)にずれて、
ピストン運動でCを擦り続けるようにしてみましょう。
膣のすぐ上にCはあるのでこれなら指で擦っているのとかなり近くなります。
腿を開いていても、これならまずイケるでしょう。(すぐには無理でも)

刺激は自慰にかなり近いものになるでしょうが、
男根が挿入した状態で達するのと空のまま(自慰)とでは雲泥の差があると思います。
これでうまくいったら他の体位でも応用してみましょう。
どういう体位でどこでイこうが脳内で脳内麻薬のエンドルフィン(下記参照)が放出されてイクのだから、
膣がいいとかクリトリスだとか、
こまかいことにこだわる必要はない、イカなければ人性は始まらないというのが私の持論です。
性交によるエクスタシーは、このように男も女も脳内現象なので、
どこどこでイクのが一番感じるということは、脳内で修飾されていることなのですね。
思い出や・・、自己陶酔や・・、思い込みや・・、夢や・・、幻想で。

脳内麻薬エンドルフィン
先に脳でイクという表現をしました。
そんなんことを 考えたこともなかったり、初めて聞いて驚く方も多いでしょうが、
イクということは男も女も実は脳でイッているのです。
男性は射精という現象がともなうので、いかにもペニスでイッていると考えてしまいますが、
実は射精と同時に脳で脳内麻薬と言われるエンドルフィンが放出されて達するのです。
女性は射精という現象が起こらないのに、いったい何処で何処がイクのかという謎がそれで解決できたでしょう。
つまり、女性も絶頂期に脳内にエンドルフィンが放出されているのです。

ボタンを開発して膣性感にも挑戦してみましょう
クリトリスは女性では誰でも感じる部分なので、エンドルフィンを出すにはいいボタンだといえます。
これがクリトリスなら誰でもイキやすい理由なのです。
先ほど膣は鈍感でイキにくいといいましたが、いいボタンがないからなのです。
でもそれも訓練しだいで、いいボタンになる可能性はあります。
Gスポットや子宮頚部(奥のコリコリした所)などは、開発の余地はあると思います。
個人差はありますので、他の部位もボタンになる可能性をもっています。
女性は射精がないのですから、どこでもボタンにできるかもしれません。
人によっては乳首だって夢ではありません。
ボタン→刺激→エンドルフィン放出→エクスタシー という流れを作ればいいのです。
二人でいろいろ挑戦してみてください。

エピソード クリトリスを切って不感症にする風習
アフリカでは以前、女性の割礼の風習がありました。
これはクリトリスの一部を切断してしまうものです。
家を守る女性が、外で命がけで狩猟をしている夫の留守の間、
他の男と楽しむことがないようにということからなのです。
こわいですねぇ、女性を不感症にするためなのですよ。

つまりクリトリスがエクスタシーのボタンだということです。
だから、クリトリスがある限り貴女は必ずイケるのですよ。


いろいろ感想の意見をいただいています。
それを参考に加筆改稿しています。 Dr.M


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